2008年6月18日水曜日

守備 : 腰を低くの意味

えー、前回・・・といってももう半年以上も前なのですが、ピッチングについて引き続き書くようなことで終わりましたが、突然ですが、守備に変更です。
ここからピッチングを始めるととてつもなく長くなりそうだし、一旦守備にしようと。 またこの守備でいろいろありまして・・・

バッティング、ピッチングときてやっと守備を考えます。
さあ、守備編のはじまりはじまり。

守備のときに「腰が高い!」きっと誰しも言われたことがあるし、コーチになったら一度はいう言葉じゃないでしょうか?


前にも書いたとおり、あたしは守備担当です。
それなりにお勉強してきて、自分なりの指導方法もいろいろ工夫してきました。
その中であたしがとても重要だと思っているのは、

「ボールは動きの中で捕る」
「捕球は送球のための動き」

ということです。
でも、ここ半年くらいの間にいろいろと考えさせられることがあったのです・・・

エントリーを長期間サボっているうちにRENくんたち4部の子供たちは1月から3部になり、それと同時に昨年まで1部で教えていたコーチが2名ほど新3部の面倒を見てくれることになりました。

この方たちはもうコーチ暦10年という大ベテラン。もちろんご自身の息子たちはとっくに小学校を卒業してそれぞれ上の学校で野球に勤しんでいるわけです。
この2名のうち、主にバッテリーそしてときどき守備の面倒を見てくれるのがKコーチ。
なかなかのコワモテで子供たちもビビッているのですが、その指導内容がスゴイ・・・

という訳で、今回このKコーチが教える守備について考えるところから守備編をスタートしようと思います。

Kコーチいわく、

 ・足は肩幅より少し広く、やや内股。
 ・グラブが地面に付くまで腰を下げて拇指丘体重でかかとを上げる。


ちょうどこんな感じで、かかとを上げます。

MFTでは、この写真について
「必要以上に腰を下げている」悪い例とされています。



<原典:MFT「ゴロ捕球の基本形1」>


この体勢って・・・キツイッす。脚がプルプルしちゃう。こんなに腰下げたら動けないだろう・・・
と、思うのですがしかしそこはそれ、長年の指導のポイントがあるわけで・・・

 ・しかし、この姿勢は苦しくて2・3秒しか保てないからピッチャーが足を上げる
  頃この構えに入って、投げるときにはガマンできずに足が一歩前に出てしま
  うくらいでちょうどいい。
  そうすれば、最初の一歩が早く出る。  

 ・そして、この姿勢だと体は地面と平行くらいに倒さないと苦しいはずで上体が
  起きるのは腰が高い証拠。

という次第。イヤハヤ、いまどきこんな指導はなかなかないぞー。

ただ、捕球時に体が地面と平行ってのは、あたしも前々から子供たちに言っていることで、「この姿勢だと上体が起こせない・・・」なんて部分は、自己チェック機能もあってなかなかだと思います。


ただこの腰の低さはやっぱすごいです。
うーん、なんか昔ながらって感じですよねー。

最近は本やサイトを見ても「腰は低く」とはいうものの、どっちかといえば動きをスムーズにする目的で、テニスのレシーブのような構えを薦めるものが多く、膝は軽く曲げるものの、腰を下げること自体はそれほど強調されていませんよね。あたし自身としてもテニスの経験から腰を下げすぎては動けないことを体験しています。

だいたいこんな感じでしょう・・・









<原典:MFT「ゴロ捕球の基本形1」>

特に膝と太ももの角度は最大でも90度であるべきと思っています。
それ以上曲げたら膝に負担がかかって膝を痛める原因にもなりかねない。

ここまで腰を下げる必要があるのか?と疑問を感じるのと同時に、これまでの指導と全然違ってしまうので、「ちょっと困ったなぁ~」などと思っていました。

ところが!ところがですよ、なぜか子供たちは、あきらかにこの構えのほうがボールを捕れるんです。
エラーがはっきり減ります。

なぜ?構えを変えただけなのに?
不思議に思って飲みながら聞いてみると、このほうが目線がボールの高さに近くなってよく見えることと、そのほうが強い打球が来ても怖くないのだとか。
なるほど、でもどうやらこれは野球では当たり前の理屈のようですね。

ただ、あたしが衝撃を受けたのはそのことよりも、これだけ低くなってると普通なら難しい「跳ね上がってくるハーフバウンド」のゴロを顔の前で、グラブ上向きで捕れると言ってたこと。

つまり、膝より低いボールはグラブ下向きで捕るけど、膝より上なら全部キャッチボールのように顔の前で捕れるということなんです。
そう、上体を深く折っているから必然的にそうなるんですね。

なるほど、ショートバウンドに間に合わない一番やっかいなハーフバウンドをキャッチボールのように捕れる。こりゃ、エラーが減る訳だ。
それにグラブ下向きで捕るときも目とグラブの距離が近くなってグラブに入るボールをキチンと見届けることができる。

うーん、経験の強さってのはこういうところに出るなぁ。

ただ、この方法だとやはり動きが鈍くなります。打球を捕る瞬間両足が地面をしっかり捕まえた形になるからです。
サードに強いゴロが飛んだ時などは低くかまえてガッチリ捕るのは良いとして、ショートがこれをやると深い打球のとき送球が遅くなると感じます。
ましてや、これからダブルプレーなどをやれるようになって来たときに動きが遅れる気がしてしょうがない。

「その前にまずしっかり捕ることだよ」

まあ、そう言ってしまえばそれまでなんだけど。あたし的には、どうせなら最初から動きの中で捕る練習をさせて精度を上げるほうがいいのではないかと思うんですが・・・

だって、その程度の動きができなかったら、テニスなんかぜったいできません。
実際に同年齢の子供たちで平気で動きながらの守備をこなす子もいますよね。

子供たちって、やらせてみると大人が考えている以上にいろんな動作をこなせます。変に制約を加えないほうが伸びるのではと思うのですね。
もちろん、中には運動能力がまだ未開発の子もいて、その子にとっては動きを限定したほうが良いということはあると思います。

でも、その子もいろんな動きをさせないとなかなか運動することが身に付かなくて、結局伸びるのが遅れてしまう可能性が高いと思うのですよね。

そういう意味でも、あたしは捕球の瞬間は左足(右利きの場合)はかかとをつけてつま先が上がった形で、その流れで左足を踏み次いで右・左とステップをしながら送球をさせたいです。
で、さらに言えば打球へは正面から入らずに右側からボールを斜めに横切るように入って捕らせたいのです。

・・・などと言いつつ、実はつい先日この子らがとんでもないことをやってくれました。

私たちの地区では、先週から夏場の市民大会が始まったばかりなのですが、なんと、2回戦で「春の選手権」と呼んでいる市内の小学校のトーナメントで優勝したばかりのチームにぶち当たり圧勝したのです!!



「やったあああああああああーーーーー!!!」

     「よっしゃああああああああああーーーーーー!!!!」

「すげええええええええーーーーー!!!」



ぐらい大騒ぎでした。


その相手は、市内を3つのブロックに分けたブロック大会でも市全体の大会でも常に優勝に絡んでくる超強豪チームで、昨年4部のときに練習試合に行ってケチョンケチョンにやられたとこです。

この試合でのRENくんたち3部の勝利を見ていたチーム代表の印象は、

「守備がしっかりしてるネー」

でした。
そうかぁー、うーむ・・・この子らには、今の指導が合っているのかもしれないなぁ。

うれしいうれしい勝利の陰で、あたしの悩みはつきません。

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