2007年11月20日火曜日
コントロール
前回のエントリーからおよそ1ヶ月もかかって・・・やっと分かったんです。
ピッチングに関しては、チョット前に現在の指導内容をまとめて書きました(ピッチングエッセンス稼動システム)が、でもその内容がいまいちな感じがしていたんです。
どこがいまいちなんだろう???
それが・・・コントロールでした!!
実は、今わがチームの悩みの種でもあります。
わがチームは、「4部」と呼ばれる3年生以下で構成されるチームなのですが、めずらしいことに3年生が17人、1年生が1人というメンバー構成。
こちらの地域では、6年以下の1部・5年以下の2部・4年以下の3部・3年以下の4部という区分けになっていますが、ここ数年はひとつの学年の人数が4・5人しかいないことが多く、2つか3つの学年を合わせてやっとひとつのチームを作ってきた状況だったようなのですが、なぜかrenくんが入った去年の2年生(いまの3年生)は野球が人気のようで、1年生を入れれば2チーム分の人数が揃ってます。
その中のわがチームの3年生エース君、3年生の中ではひときわ背が高くて、今は中学生になっているおにいちゃんたちも同じチームでピッチャーをやってたこともあり、なかなかな速球を投げるもんで、同じ3年生以下の4部相手だとちょっとやそっとでは打たれません。
・・・ただ、ストライクが入るときはいいんですが、ムラがあるんですね。
さらに、わがチームにはそのエース君以外のピッチャー君が2人いるんですが、やっぱり負けるときはフォアボールなんです。
そんなこともあって、ここのところどうやったらコントロールが良くなるだろうということを考えていたので、前にエントリーした内容だけではどうもしっくりこなかったんですね。
そのときに前回書いた工藤選手のバイブルに出会い、さらにその後メジャーリーグのピッチャーばかりを集めたムックを読んだり、そして渡辺俊介選手の「アンダースロー論」を読んだんですね。
アンダースロー論!!
これも、さらなる新たなバイブルです。プロ野球選手としては特筆すべきフィジカルの強さがないと自ら書いている渡辺選手がWBCなどをはじめ、あれほどのピッチングができる理由がとても丁寧に書かれていますが、その秘訣はコントロールとバッターとの駆け引きにあるようです。
特に、渡辺投手はプロ入りした頃コントロールが悪かったらしいのですが、コントロールを良くしてさらにプロ野球で生き残っていくために参考にしたのが(もちろんアンダースローですから)過去のアンダースロー投手のビデオとそして、工藤選手(やっぱり!)と同じロッテの黒木選手のピッチングだそうです。
特にある会合で工藤選手、黒木選手と同じテーブルに座ったときに両選手がピッチングについて話している内容に衝撃を受けたそうです。その内容は、前回紹介した工藤選手のバイブルに書かれていたことそのものです。
「・・上体を真っ直ぐ立てたまま横に移動して、足を踏み出して投げる瞬間に、パッと九〇度回転して投げる。足を上げてから下ろすまで、打者に対する上体の角度は変えずにスーッと真っ直ぐいって、投げるとき、タンと上体を返す。ふたりとも、そうやって投げているというのです。」
【原典:光文社新書刊「アンダースロー論」】
そこで、これらバイブルで学んだことをちょっとずつ試しながらやっとまとめて書けそうな感じになってきたのですね。
さーーて、その中身は・・・また次回でーす(ヲイヲイ・・)
2007年10月24日水曜日
理論と実践 -あらたなバイブルの登場!-
ピッチングに関しては、バッティング以上に理論の部分で悩んでしまいました。
日本人投手の投法と大リーガーの投法はどのように違うんだろうか?本当に「科学する野球」が指摘することが問題なのだろうか?などなど考えているうちにバッティングの時に参考にしていた「メジャーの打法」(http://www.geocities.jp/tokyomarlin/part1.html)の中に投球の分析もあったことを思い出し、改めて見てみたところ、あるわあるわ・・・
この中では、Feltner氏、Jobe氏、風井氏他の論文を元に筋電図データから主にピッチング時の腕の振りに関わる筋肉の使われ方について日本人投手と大リーガー投手の違いを論じています。
・・・で、読んではみたのですが・・・さっぱりわかりませーーーーん。
ただ結論的に、上記3氏の研究から現在日本で主流となっている投法は2つあるようでそのうちのひとつがアメリカの投法に類似しているということのようです。
また、このサイトの主催者はこういった研究を踏まえ、これまでよくないとされてきた「アーム式投法」を分析し、改めて積極的な意味のある「別な投法として」再定義するべきであるという考えをもっており、その定義からすると松坂大輔投手やあのペドロ・マルチネスもアーム式に分類されるとしています。
「えーーー?松坂がアーム投げ??」
なんて思いがちですが、間違ってはいけないのはこの主催者は「アーム式投法」を「再定義」しているということですね。
詳細を知りたい方は、ここを見てみてくださいね。
ところで、今回のタイトルは「理論と実践」ですな。
そう、ピッチングに関して上のような理論を追いかけていてなんか頭がウニになってしまっている状態を知っていただこうと上記のサイトの概要をあえて書いてみました。
でも、以前に書いたように自分自身はややこしい理論は好きですが、実践指導はできる限りシンプルにしたいと考えています。
・・そんなことからして、
「おいおい、こんな難しい研究を追っかけてどう指導するつもりなの?」
と、自分自身にツッコミをいれていました。
ところが!そんなウニに忽然と新たなバイブルが登場したのです!!
「僕の野球塾」(講談社刊 工藤公康著)
今までなんとなく見逃してしまっていたのですが、ある日本屋でなんやかんやと立ち読み(やっぱり・・)してたらフと目についてなにげなく読んでみたのです。
その瞬間!!
「買わねば!!!!」
とビックリマークが4つも並んでしまい、同時にあたしのバイブルに自動登録されたのでした。
なにしろこの本、あの工藤投手自身が定例で開催するジュニア向けの野球教室で指導していることをまとめているのですが、とにかく理屈がシンプル!そしてその理屈を理論として展開するのではなく、実際の動作に落とし込んでいて、要はその動作(工藤投手自身がモデルになっている連続写真)をマネること、繰り返しその動作・ドリルを練習することで体で習得できるようになっているのです!
すばらしいーーーー!!!
そう!自分自身が理論に振り回されていることがよーーーく分かりました。
一貫した指導のために理論は重要ですが、あたしはバッティングと違って重要なポイントを動作に落とし込めていなかったのです。
特にウロコが落ちたのは、足上げからトップの形までの動きを、
「足を上げ、足を下げたら手が上がる」
と説明していたことです。
ピッチングを十分に理解できていないあたしにとって、この動作そのものが普通に目にする動きでありながらトップを形成する際のタイミングや、間の取り方や、手足の連携にとって重要な動作であることを初めて知り、さらにそのことを端的にたった一言で見事に言いあらわしていることに驚愕したのです。
「やっぱ指導者はこうじゃなくちゃネーーーー。」
テニスの頃を思い出しながら一気に読みきってしまいました。
なにしろ、技術論の部分がとてもコンパクトなのもこの本の特徴でしょうね。
技術論以外は、野球をやることに対する考え方や姿勢といったことが主なテーマになっていて、まさにこの部分が指導の上で必須であり、逆にここが分かっていないといくら技術をコーチが教えてもダメだということを端的に示す稀有な指導書ですよね。
誰もが重要であると考えながら、技術書に添え物のように書くことが多かったテーマだと思いますが、この部分を大々的に書き、その中に技術論を交えているところに自らが技術を極限まで追求している現役投手である工藤投手の真骨頂が現れていると感じました。
この本を読んで今まで以上に工藤投手を応援したくなりました。
このブログを書いているほんの2日前に工藤投手は手術をした肘のリハビリのためアメリカに渡りました。
ばっちりリハビリして、来年も今年以上に大活躍して下さいネ!!!
2007年10月11日木曜日
後ろ足の使い方
このブログでも何度も取り上げている手塚さんのダブルスピン理論の「エッジング」についてです。
まず、あたしがダブルスピン理論に出会ったのは、2006年の12月ごろ。
6月からチームにコーチとして参加して、少しづつお勉強しながら自分なりの考え方を模索している最中でした。
きっかけはバッティングのお勉強にいろいろな本を探していたときに「うねり打法」や「シンクロ打法」などの書籍を立ち読みしては(やっぱ立ち読みかよ!)個性的な理論を展開しているなぁ・・と思っていたところ、文庫版の「プロ野球 バッティング&ピッチング解体振書」(PHP文庫)を見つけて買ったのです。
野球の技術に関して、体の構造や筋肉の働きを踏まえて体系的にまとめられたものは手塚さんの本が初めてだったので、読んでたらなんかワクワクしてきましたね。自分も魔球が投げられるようになりそうな気がしてね・・・
・・で、早速ためしてみました。
自分的にはピッチングについて目からウロコが何枚も落ちちゃいました。もちろん、ダブルスピン投法をマスターできた訳でも「ジャイロボール」を投げられるようになったわけでもありませんが、この理論をマネて投げてみると、それまでわけも分からずテキトーなフォームで投げていたのが
「そうそう、テレビのピッチャーってこんな感じジャン!」
なんて思える程変わってきて、腕の振りが一定の軌道になってきたのが分かりました。おかげでコントロールが抜群に良くなったし、その昔テニスエルボーで傷めた肘が痛くならずに投げられるようになったのです。(それまではチョット投げただけでも痛かったんです)
そして、ピッチングのエッセンスの回で書いたゼロスローを体験できたのもこの本のおかげです。
腕の振り以外にも、足上げで「Yの字バランス」にすること、併進運動の際にバッテリーラインからわずかに1塁側にある椅子に腰掛けるように腰を落とすこと、テイクバックを肘から上げること、そしてなにより右腕の内旋によるスローイングの方法が明確に分かったことが大きな収穫でしたね。
そんな体験からほんの3ヶ月前までは、投球はダブルスピンを元に教えようと考えていました(「科学する野球」を読む前までってことですね)。
ただ!!どうしても気になる動作があったのです。それは・・
『エッジング』です。
エッジングは、バッティングでもピッチングでも軸足を通して地面からのパワーをうねり上げるときに重要な役割を果たすらしいってのは分かる感じがするんだけれども、いまいちピンとこない・・・どうやら、後ろ足の内側くるぶしが地面につくぐらい粘ってから投げたほうがいいらしい。でも大リーガーは狭めのステップで突っ立ったまんま投げる感じですよね。
前回の「フィニッシュ」でも取り上げましたが、ピッチャーのフォームに関して日本人と大リーガーの違いのとても大きな部分がこの足の使い方だと思うんですね。
手塚さん自身もこの体を低く使う動きとそれにともなう「くるぶしが地面につかんばかり」の粘るエッジングは、相撲に端を発する日本人の下半身の使い方が受け継がれた「伝統工芸的」な独特の動作であるといっています。
一方「科学する野球」では、後ろ足の内側がいつまでも地面を押さえているのは軸足の内部応力から発生するべき「捻り」が使えないとしてNGなんですなぁ。
手塚さんの理論は、細かいところまで考えられていると思うのですが、このエッジングについては若干不明なところがあると思ってます。それは、ドミニカの投手の多くもこのエッジングを使っているとのことなのですが、日本人の使い方とは違うらしいのですね。
「ペドロ・マルチネスのように高い重心で「エッジ」を効かせれば、回転には有利でも下半身はネバリづらくなるだろう。
同じ「エッジングの効かせ」方でも、お国柄が出ていてなかなかおもしろい。」
<原典:PHP文庫刊「プロ野球 バッティング&ピッチング解体振書」>
もっと詳しく比較論が知りたいところですが「おもしろい」で流されてしまいました。
高い重心でのエッジングは本当に回転に有利なの?回転を効かせた投げ方とダブルスピン投法はどう違うの?ドミニカのエッジングってどういう動作なの?いろいろ疑問が湧きます。
この違いが分かれば「科学する野球」でいう大リーガーの投法との違いを理解するヒントになるのではと思ったのに。
・・・・と、ここまで書いてきたときになんと あの! あたしの最近のバイブルサイト「野球サイトPA」主催者10さんからコメントを頂きました。
「えっ!? あのサイトの主催者から?」
とビックリしつつ、コメントをやり取りしています。その中で10さんは日本の投法が金田・権藤・稲尾時代にはステップはそれほど広くなかったのに、昭和中盤~後期に「ステップはとにかく広く」というのが常識になってしまい、そして最近は徐々にまたステップ幅が狭い選手が増えつつあるという流れと、最近大リーガー投手の中に日本っぽい足の引きずりをする選手が見られることを挙げて、
「両方のいいところが合わさっていきそうだ、と期待しています。」
という意見を頂きました。
なるほど、そういうこともあるのかもしれませんね。
あたしもコメントに書いたのですが、ヤンキースのリベラ投手のフォームなどは、結構日本人っぽい感じしますよね。
・・・と、いいつつもやっぱりドミニカエッジングというものがあるなら、どんなメカニズムなのか知りたいなぁ~。
2007年10月10日水曜日
フィニッシュ
前回、ピッチングの流れを一通り書いたところで、次に何を書くかまたまた悩んでしまいました。
但し、やっぱり前回の最後でシリング投手の写真で悩んでいると書いているので、とっかかりはここからにしよう!
さて、どうしてこの写真で悩んでいるのか分かりますか?
そう! 右足が地面から離れていることなんですよ。
あたしのバイブルのひとつ「科学する野球」では、日本人プレイヤーと大リーガーの動作を分析し、より理に叶っているのはどういう動作かということを解説しています。
この中で、ピッチャーのフィニッシュは・・・
大きい方が大リーガーに多いフィニッシュ、小さい方が日本人に多いフィニッシュですね。
<原典:筑摩書房刊「科学する野球レッスン」>
大リーガーは始め後足を軸足として体重を預けさらに、立ち気味の狭いステップで前足に体重を乗り移しながら今度は前足を「回転軸」として固定させて使うことで体の中で最も重い大臀筋を含めた体重を全て前足に移せる・・としています。
一方日本人プレイヤーは、足上げのあとに唯一の軸足と呼ぶ後足を折り曲げ、低い姿勢でヒップファーストの長く低い併進運動でこれまた低くて広いステップを行いますが、この広いステップにより大臀筋が両足の真ん中に落ちてしまって、その重さがリリース時に前足に乗り切らないため、体重移動が不十分であると指摘しています。
同一物体において体重を移動するときに、重心が低い場合と高い場合を比較すると高い方が体重移動しやすいのは物理的に明らかですよね。
「ピッチングのエッセンス」でも紹介した最近のバイブルサイト「野球サイトPA」でも、体重移動の動作(併進運動)と上体の動きを支えるには日本人の細い足・弱い上半身では、メジャーリーガのような重心の高いフォームから前足を突き刺すように踏み出す際の衝撃に耐え続けることができないとした上で・・
『「ただ、メジャーリーガーであっても日本人であっても、「前足を固定し、股関節を軸にして体を回す」という「理想的な原理」は変わらないはずです。」』
<参考:「野球サイトPA」(1)前足ステップのやり方 4:ステップ幅「7歩が理想なのか?」
http://pitchinganalyzer.web.fc2.com/3-1.html>
・・・と言ってます。
つまり、「科学する野球」でいう大リーガーの動作はやはり「理想的な原理」に基づいているということですね。
これらの理論を受けてあたしは、一応ヒップファースト併進運動+前膝角度100度 を現在の指導方法としたと書きました。
なぜなら、問題は日本人の肉体的な弱さにあるという指摘があるので、これは一朝一夕に解決できない問題だし、こども達にとって危険な動作はさせたくないという理由からです。
でも、気になるのは、日本人の投球方法では体で最も重い「大臀筋」の重さが乗らないという指摘です。
これが本当なら、かなりもったいないという気がしますよね。
ただでも体重が軽い日本人が、最も重い筋肉の重さを使えないということですもんね。
これが本当なのかどうか検証したデータはないのかなぁ・・・
・・で、冒頭のシリング投手のフォームを見るとリリース直後に右足が完全に浮いていて、つまりこれは体重が完全に左足に移っていると見えるのがとっても気になる訳です。
・・という訳で今回は何を悩んでいるのか?を明らかにして終わりです。
2007年9月25日火曜日
ピッチングエッセンス稼動システム
それぞれのタイトルは、指導のときに使っているキーワードです。
1:ギブソンのように
足を上げる動作です。
「ギブソンって誰??」
えっ?ダメですよそりゃー、現代の「巨人の星」とも言うべき野球アニメ「メジャー」に出てくるメジャーリーガ投手で、足を胸につくぐらい上げるんです。
この動き・・・日本人ピッチャーにはまずないですよね。
でもどうやら足を高くあげ、「骨盤を後傾させる」メジャー風の足上げの方が体重を全て後足に乗せられるらしいんですね。
・・すると、これをやらない日本人ピッチャーは体重の乗せが甘いということになりますが、それをカバーしているのが「ヒップファースト動作」なのだそうです。
<参考:塚口理論ブログ「Y字バランス以降の分かれ道」「Y字バランス以降」「ヒップファースト考」>
ほんとうにこども達にこれほど足をあげさせる訳ではないのですが、こども達は揃って足の上げ方が小さいので、あえてこう言ってます。その関係もあって、前足への併進運動については、日本風にヒップファーストにさせています。
2:おしりから倒れろ!
ヒップファーストフォール、いわゆる「タメ」をつくるところですね。
でも、「タメ」って明確な定義あるの?・・ってわかりませんでしたが、下記のブログでとっても明確に定義してくれています。
解剖学的にみると別な解釈もあるようですが、動きを指導するには下記が分かりやすいと思います。
1.併進運動で「タメ」を作るやり方はこちら
↓
お父さんのための野球教室(指導方法・上達のコツ)『タメて投げろ!!のタメって何?』http://blog.livedoor.jp/bb_easy_consultant/archives/16194991.html
日米のピッチャーについては、前々から足上げ動作の違いと踏み出す足の使い方があまりにも違うので、
「外人ってなんであんなに突っ立った投げ方で投げられるんだろう?」
と不思議だったのですが、このあたりがあたしが一番悩むところです。
「科学する野球」は、この突っ立った投げ方こそ理にかなっているという立場ですが、「野球サイトPA」は、体重移動の動作(併進運動)と上体の動きを支えるには日本人の細い足・弱い上半身では、メジャーリーガのような重心の高いフォームで前足にかかる衝撃に耐え続けることができないとし、「ただ、メジャーリーガーであっても日本人であっても、「前足を固定し、股関節を軸にして体を回す」という「理想的な原理」は変わらないはずです。」と述べた上で、体重移動には不利ではあるものの低い体勢での併進運動を行い、踏み出した前足の膝角度が100度となるように踏み出すのが理想としています。
<参考:「野球サイトPA」(1)前足ステップのやり方 4:ステップ幅「7歩が理想なのか?」
http://pitchinganalyzer.web.fc2.com/3-1.html>
まあ、当面はヒップフォールで前膝角100度で行こうと思ってます。
こっからは上体の動きが入ります・・
3:こうもりになろう
テイクバックの動作ですな。テニスの時はラジオ体操のこんな動きでレッスンしたものです。
でも、野球では肘先行で上に上げるイメージにさせようと思い、renくんに「こうもりになってごらん」と言ったのが始まりです。
でも、小学校2年生のrenくんはこうもりそのものを知りませんでした・・・そりゃそうだよねー、最近夕方遊んでてこうもりを見るなんてないんだろうなぁ・・
でも、あえてこの動きをイメージさせるための言葉として使ってます。
写真2の動作ですね。
4.敬礼!
写真5の動きです。
ボールを引き上げるときは敬礼の動きのように体の前側から上げることを重視します。
また、うちのチームでは、敬礼した後はボールを持った手を頭に載せるように指導してます。
5.ボール動かすなー
4.でボールを頭に載せたら、その位置を動かさないように意識しながら6.の動作を行うことで、肘が先行する動作を覚えてもらいます。
ここで、下半身に戻ります・・
6.蹴り上げ
ここで、体をキャッチャー方向へ向ける必要がある訳ですが、キモはやっぱりこの動作・・・
<原典:少年野球blog 「なぜ骨盤前傾にもどしたのか?」>
ダブルスピン投法でも1stスピンスタートのきっかけとされている後足の捻り、手塚さんは後足のエッジングをギリギリまで粘ってから時計周りに(右投げ)かかとを回すことで「うねり」が発生するとしています。
でも、あたしはこの後足の捻りはどちらかというとフィニッシュに足の裏を空に向けるようにひざから下をL字レンチのように蹴り上げるイメージにしています。
この蹴り上げで上体はかなり急激にキャッチャー方向に捻られます。
7.でんでん太鼓
ここで前回の「上体倒しとゼロスローの動き」が加わることで腕に加速度と遠心力が加わり「腕が振られ」、最後はこのフィニッシュになる訳です・・・
<原典:筑摩書房刊「科学する野球レッスン」>
ここのポイントは「腕が振られ」ることで、イメージとしては「でんでん太鼓」だと教えてます。
最近の小学生は、昔おもちゃを「学んで」いるらしく知っていたので幸いでした。
この動作の良いところは、ゼロスローを行うことで「腕の振りの軌道」が一定になってしまうことですね。だからコントロールがよくなるんだと思っています。
なにしろ左右のコントロールのブレがとても小さくなったので、後はリリースのタイミングで高低を簡単にコントロールできるのです。
最近バッピーやるのが楽しみになりました。
・・と、ピッチングを一通り書いたぞ。でも悩みのこと・・・
端的に言ってこんな写真を見て悩んでいるんですよーーーシリングさん・・・
2007年9月21日金曜日
ピッチングのエッセンス
この前に次回から自分が迷っていることを書くと言ってしまったのですが、さぁどこから書こうかと考え始めたらまったく考えがまとまらなくなって書けませんでした。
こりゃダメだということで、まず現在指導していることを書くことにしよう!そんで、わからんことや迷ってることを書いていくです。
あたしは、チーム内では守備担当コーチなのですが、そこはそれお父さんコーチの集合ですのでその日に集まったメンバーやらの事情で、バッティングを見たり、バッテリーを指導したりすることもたまにあるんです(だからお勉強しないといけない状況でもあります)。
そう考えたら急に楽になって書き始められるや・・・
そこで、ピッチング編ではまず(バッティングでも紹介した)「エッセンス」を明確にして、エッセンスの動作を実現するための各種パーツの動作をだんだんに書いていくことにします。
まず、基本的な考え方はバッティングと同じ・・・つまり、下半身主導のリニアウェイトシフト型ということですね。
・・で、ピッチングの「エッセンス」はというと・・・前回ほとんど明かしてますが、腕の内旋による投球ですね。
ただし、ポイントはこの腕の動作をしながら「ゼロポジション」でボールをリリースする「ゼロスロー」をするということ。
ゼロポジションは、最近よく聞く言葉なのでみなさんご存知だと思います。
まず、どうやったらゼロポジションを作れるか、これは立花龍司さんのやり方がとってもわかりやすいですよね。
<原典:「nikebaseball.jp」http://nike.jp/baseball/main.html>
ところが、ゼロポジションで投げるときの腕の動作についてあたしは間違っていました。そのことを教えてくれたのが最近気に入っているこのサイトです。
ピッチングアナライザーhttp://pitchinganalyzer.web.fc2.com/⇒サイト主催者の10さんよりご連絡頂きました。現在は「野球サイトPA」という名称になっています!
左(2枚:zyone記)は、胸を相手に向けたまま、腕を真っ直ぐ押し出すような動きです。
体を相手に正対させ、ひじの伸ばしだけで投げようとしますが、この投げ方は二の腕の裏側(上腕三頭筋)と胸の前の筋肉を酷使することになり、故障の原因になります。「腰が回っていない」「手投げ」
(ただし、良くないとしている写真左は、キャッチボール開始時などで肩甲骨のスライドを確認するためこの投げ方が有効になる場合もあります。リリースがスライダーである選手・ひじが下がって投げる選手にも、現実には有効です。)
右(2枚:zyone記)は肩甲骨面に沿った腕の振りです。
体を45度弱に回しておくと、肩甲骨面は45度+45度=90度で相手(写真撮影方向)に真っ直ぐ向きます。つまり、この向きで腕が伸ばされることで肩甲骨が滑らかに動き、ボールリリースの負荷を受け流すことで故障の少ない投げ方になります。そして、指でまっすぐ弾かれることで、きれいなバックスピンが相手に届きます。
<原典:「野球サイトPA」「第一章 すべての始まり(1)「腕・肩・ひじの使い方」から見た基本 3ゼロポジション」http://pitchinganalyzer.web.fc2.com/1-1.html>
これって、まるで応援団のような動作ですね。通常に感じる「投球」動作とはだいぶ印象が違います。
あたしは、体を正面に向けた状態でゼロポジションでリリースするものだと思っていて
「チカラ入んないジャン!!」
なんて怒ってましたが、ある時上記のゼロスローができることで必然的に腕がスムーズに内旋し楽に投げられるということを知る経験をしました。
renくんとキャッチボールをしている時にたまたま下の図のようなTの字みたいなフィニッシュになった時、すんごく気持ちよく腕が振り切れてコントロールがピタッと決まる経験をしたのですが、それ以来このフォームを意識することで投球のスピードもコントロールも格段によくなったのです。
この時は、偶然図のようなTの字フィニッシュになったのですが、このフィニッシュになるような動作をするとゼロスローしやすいのじゃないかと思っていて、それ以来やはりこども達にはスムーズに腕の内旋ができるようになる方法を教えるべきだと思っています。
ただし、こどもに指導する時はあまり腕の内旋を意識させすぎるとよくないとのことなので、テニスのサーブ指導のときによく使っていた方法をやってます。
ゼロポジションの状態で腕をターゲット方向に伸ばさせ、
「できるだけ指を遠くに届かして!!」
というとこども達はあれこれ試してみます。そこで、「腕は内旋することで最も遠くまで届く」ことを体感してもらいます。
これなら実践的な方法でゼロポジションと腕の内旋を覚えることができます。
さあ、そして腕の動かし方に続いて上体の使い方を覚える極めつけの方法があります。それは・・・
「投げ下ろし」「真下投げ」
・・まあ、呼び方はいろいろでしょうが、要するに自分の足元にボールを叩きつける・・・そう、前回ラケットでテニスボールを叩きつけたのとおなじ発想です。
この方法が最も肘・肩にダメージを与えず、自然と肘を高くキープする動作を覚えられますね。
「なぁーんだ、よくやるヤツじゃん!」
・・・と思った方! そりゃそうです。別に奇抜なアイディアを求めてるわけではないですからね。
前にも書いたとおり、練習方法はシンプルが一番です。
やり方は、これがいいのでは・・・
まずここでは、通常の「真下投げ」をやってみます。
この真下投げは「東京大学大学院 総合文化研究科 生命・環境科学系 身体運動研究室」の渡会公治助教授・伊藤博一助手によって作り出された練習法です。
<原典:「野球サイトPA」「第一章 すべての始まり (3)真下投げを含む「固定投げ」2通常の”真下投げ”」 http://pitchinganalyzer.web.fc2.com/1-3.html>
このサイトにも記述がありますが、真下投げであれば肘を痛めている選手でも肘が痛いとは言いませんね。やはり、肘が上がった投げ方(メンコのような動作)が自然とできるということですよね。
さらにこの方法には、「体の倒し」もプログラム化されているので、この後に続く体重移動の指導もスムーズにできるんですね。
実は、うちの3年生チームのエース君が夏休み直前にけがでフォームを崩した上に、先週末練習に来たと思ったら2週前から投球時に上腕が痛むようになり、医者に筋肉痛と言われたが痛みが引かない・・・と言い出したのです。
キャッチボールを見たら、バックネット直撃の暴投状態。フォームチェックしたところ、バッターに向かって胸を張る時点で肘が下がりさらにテークバックの腕の動きが狂い、担ぎ投げ状態になっていました。
そこで、ゼロスローの真下投げを教え、さらにこの子は背は高いけど下半身が弱いので軸足に体重をしっかり乗せるドリルを組み合わせて矯正することにしたのですが、この時、彼も真下投げだと痛みがないとビックリ顔でした。
ピッチングの場合、エッセンス部分はこの「ゼロスローと腕の内旋」ということになります。
そして、バッティングのときもそうでしたが、このエッセンスを稼動させる仕組みが必要です。この部分を担うのは、やっぱり下半身!!
と、いうことで下半身の動作はいよいよ、次回公開となります。(TVじゃあるまいし・・・)
これが結構ミソなんだけど、悩みの種でもあるんだなーーー・・・
2007年9月14日金曜日
ピッチング:そもそも・・・
そもそも、ピッチングなんてなんにも分かりませんでした。(また、時計は2006年7月に戻ってるわけね。)
で、漠然ともってた疑問・・・だいたいこの辺からはじまります。
・・で、疑問は「ちゃんとした投げ方ってどんなだろう?」
こりゃこまった疑問だ!! あまりにも大雑把過ぎる。「ちゃんとした投げ方」って・・・
そこで、またぞろ本屋へGO! 最初に本屋で立ち読みしたのはバッティングの時にも書いたけど、実は最初ピッチングをお勉強しようと買ってたんです。
これ、いい本ですねーーー。
体裁がコンパクトなのに中身が濃い。
レッスン内容が厳選されてて、結構高度です。
さすが立花さんだけあってトレーニング方法もバッチリ。
<高橋書店刊:「立花龍司のメジャー流少年野球コーチング」>
そして、バッティングでも何度も登場している「少年野球blog」の出会いは実はこの頃、サイトでボールの投げ方を調べようと検索しているときだったのです。ぶつかったのはこの記事です。
少年野球blog「投げるその1ひねる」http://metoo.seesaa.net/article/4704328.html
この記事でボールを投げるときは、腕の内旋で投げるということを解説しているのを見て「?」と思ったものです。
立花さんの本にはこの部分も解説してあったので、即買いしました。
さらに、metooさんブログにもリンクのあるナイキのサイト「nikebaseball.jp」http://nike.jp/baseball/main.html
「トレーニングスタジオ -ケガをしないフォームづくりのためのトレーニング-」では動画でさらに詳しく見ることができます。
・・・で、前回書いたようにこの腕の内旋で投げる動作は、いろいろ迷っているあたしにとって不動のいわばエッセンスに近いものだろうと考えています。
この動きは、テニスのサーブ・スマッシュでまったく同じ動きをします。
<原典:tennis365.net「怒涛の連続写真~サーブ編 上巻」http://news.tennis365.net/lesson/tokushu/service/service04.html>
でも、実際にやってみてもテニスのサーブ・スマッシュと投球が同じ動きというのは不思議な感じがしました。特にこの動きでストレートボールを投げるというのが今ひとつ・・・
スライダーっぽい横回転をかけるのであればイメージ通りですけどねーーー。
でもこども達は、最近ジャイロボールが大流行なので、むしろ喜んでやりますね。ただ、その場合、下記を気をつけないと・・・
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TBありがとうございました。
流石に経験豊富なmetooさん。解説が親切で判り易いです。
小指が上を向いていることについて指導すると、意識しすぎてフォーム
を崩す子がいるので注意が必要と、立花氏が言っていました。色々と難
しいですね。
もっと熟読して勉強させて頂きます。
Posted by 星 十徹 at 2005年06月29日 11:45
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これは、metooさんブログの上記記事に対するコメントです。
この辺が難しいなぁと思います。
ただ、テニスを教えていても、この動きはなかなか最初ピンとこないものです。特に大人は。
でも、こども達はできるだけ遠くに手を伸ばすように意識させると自然と手を内旋することがほとんどでした。野球でも同じじゃないかな?と思ってます。
なので、こども達にピッチングを教えることになった時にはラケットを持って行きますよーー。
で、テニスボールを地面に叩きつけさせます。フラット(回転をかけない打ち方)打ちで。気持ちいいッスよーー、ボール10mくらい跳ねると思います。こどもでも5・6mくらいは上がるかな?
・・・あっ、これでフライの練習もできるジャン!! 今、思いついちゃった。明日やってみよ!!
これは、独り言です。でも、これ、いいと思いません?こども同士でピッチングとフライキャッチ練習が同時にできますね。テニスボールだとこわくないし。
ノッカーなしでやれると守備の指導がしっかりできるし・・・うーーん、やろうやろう。
まあ、ちゃんとラケットで打てればの話ですが・・・
2007年9月11日火曜日
ピッチング・・・はじめに
でも、本当はピッチングは後回しにしようかと思っていました。なぜなら、いまピッチングについては迷いに迷っているからです。
ほんの3ヶ月前まではまったく迷わずに手塚さんのダブルスピン投法を教えられるようになろうとお勉強していたものですが・・・
・・ってなんだか昔ばなしのように書いてるけど、迷いのきっかけはバッティングでもさんざん出てきている「科学する野球-投手編-」です。
そしてさらに、「メジャーリーグのバッティング技術」を書かれた塚口さんのピッチング理論(バッティングで気になって最近見直してみたら、ブログにピッチング理論も書かれていて・・・)。
これらの間でなにをどう迷っているかというと・・・うーーーん、これを書き始めると長くなるので、次回から書いていこう。
とにかく今、方法論選択の判断基準は何かというと・・・
「こども達にとって安全な体の使い方を習得できる」
ということです。
つまり、大好きな野球をやっているのに「肘が痛い」「ひざが痛い」「肩を壊した」なんてことにさせないことを最重視しています。
まあ、より速い球が投げられる理論とかあるかもしれないけど、小学校3年生を面倒みている今はまだまだ運動自体に慣れていないこどももいます。運動はできるけどボール投げができない、なんて子もいます。
だから、彼らが高学年チームでプレーするときに困らない「基本的な体の使い方」、野球の基本技術というだけでなく、投げる・捕る・打つ・走ることがその子の適性にあった無理・無駄のない動作でできるようにしてあげたいと思う訳です。
それができれば高学年チームは高いレベルからスタートでき、中学・高校・その後まで彼らが安心して野球を続けられますもんね。将来に渡って高いパフォーマンスを発揮できる基礎をつくるのが低学年チームコーチの役割だと思うのですね。
ただし、あたしは(自分自身はややこしい理屈が好きですが)理屈ややり方は出来る限り簡単なほうがいいと考えています。
あまりに理論が鉄壁に組まれているとそれから外れることが難しくなり、だんだんに理論から逸脱することが怖くなります、そして理論から外れたことをやってみてうまくいかないとますますその理論に縛られる・・・
こうなると本来は良い理論を実行していたはずなのに悪循環に陥ることになります。
スポーツなんて人がやることですから日によって調子も違えば、気分の乗りも違う。同じことをやっても常に同じ結果が出るわけではない、それが当然なんですよね。
なので、あたしがバッティングのときに「エッセンス」を大事にしているといったのは、できるだけ理論をコア部分にまでそぎ落として、個人の自由度を高くしたいからなんです。
・・という訳で、ピッチングについては迷い中で、素人お父さんにとっては、まったくもって困った状況です。
迷っているのは何かというと・・・
1.後足のセット方法
2.前足の上げ方と後足への体重の乗せ方
3.前足のステップの仕方
4.ステップ時の後足の使い方
5.テイクバックでの腕の使い方
6.前足への体重移動の方法
7.フィニッシュの方法
なんだよ、全部じゃねーか!!
イエイエ・・実は、これだけは動かないというものが・・・
↓
■ 投球は腕を捻って投げるものとし、腕の屈曲・伸展のみで投げない。
そうですね、この点は特に肘を痛めないためにとても必要な指導事項だと思っています・・・なのに!こういう動作をあえて「指導」すると間違った動きを覚えてしまう場合があり、中学・高校などにあがった後で修正に困るという事例が増えているとのこと。
ふうううう・・やっぱ、質のいいトレーニングが重要になるなぁ、そして、実は今一番悩んでるのが・・・
「意識的な動作と無意識的な動作(随意動作と不随意動作)」
そしてその指導方法についてなのです。
そういった訳で、まがりなりにも自分にとって基準となる指導方法をまとめられたバッティングとは違って、ピッチングについては、わからないことの告白コーナーになっちゃうかもしれません。
本当にいまの段階では、この「ピッチング」編をどんな内容・構成にするのか、まったく見当がつきません。
ということで次回からは、あたしがピッチングについてどこから入り、何に迷っているか・・・というあたりから書いていきたいと思います。
2007年9月5日水曜日
バッティング:番外編
1.塚口理論
これ、最近とみに気になってきました。というのも、しばらくぶりにHPを見たら以前とチョット変わっていたところがあり、ここがあたしのアンテナにピピッときたんです。
それは、素振りの仕方の図です。
<原典:塚口洋佑「バッティング理論」http://www.sutv.zaq.ne.jp/ckame404/NewFiles/f4.html>
この図のどこがピピッときたかというと、バッターから見るとピッチャー方向に斜めにガラス板のようなものが描かれていますが、これ、実は前に書いたあたしのゴルフの振り方と同じ考え方なんです。
ゴルフでは、スウィングプレーンと呼ばれるクラブの理想的なスウィング軌道を説明するものとしてこれに似たガラス板のイメージがよく使われます(ベン・ホーガンという有名な選手が書いた歴史的に有名なレッスン書「モダンゴルフ」にイラスト付きで書かれた)。
ただし、そのガラス板は上の図とは違って、アドレス時のプレイヤーの肩からボールの方向に斜めに固定されたイメージです。
<原典:ベースボール・マガジン社刊「モダンゴルフ」>
初心者ゴルファーのスウィングイメージはこのガラス板の上で、頭を中心に左右対称に振り子を振るようなイメージが圧倒的に多いと思います。
世界中のゴルファーからボコボコにされるかも知れませんが、あたしはこのガラス板のイメージが初心者のゴルフ上達を著しく妨げている、特にスライスの原因を作っていると思っています。
あ、もちろん理論自体が間違っているということではなく、このガラス板のイメージによって多くのゴルフ初心者がスウィングイメージを勘違いしてしまい易いということなんですね。
あたしがテニスのコーチだった頃、別なスポーツを自分で勉強すべきと考えてやってたのがゴルフでした。
なので、けっこうまともに理論も勉強したのですが、そのときまさにこのイメージを追っかけていました。
実はゴルフは中学校ぐらいから遊びでやってたのですが、それでもずーーーーっと治らなかったスライスを『一発』でストレートにしてくれたのが、ガラス板をアドレス方向ではなく、打球方向に向けるイメージの転換だったのです。
全部書くとものすごーーーく長くなるので理論については書きませんが、あたしがゴルフのバイブルとしている「非力のゴルフ」(橘田規・高松志門著)との出会いは衝撃的でしたよーーー。
<知恵の森文庫刊「非力のゴルフ」>
あたしが読んだのは、カッパブックス版でした。
練習場の待ち時間に雑誌に掲載された高松志門プロの特集レッスン記事をチョイ読みしたのですが、書いてあることがムチャクチャで(当時のあたしにはそう思えた)、最初は「こいつ何バカなこと言ってんだ?」と笑ってしまったのでした。前にも書いたけど、その理論を一言で言うと
「ゴルフは右上から左下に袈裟懸けの大根切りだ!!」
というもの。つまりテイクバックでクラブを体の右前上に立てて、そこから体の左後ろ下に向けて袈裟懸け・大根切りに打てという。
『ただでもスライス治らねェーのに、こんなことやったらバナナスライスになっちまうじゃねーかー!』
・・と思ったのに、たまたまやってみたら見事な、本当に見事なストレート球が打てて、その瞬間思わず
「アッ!!」
と周りの人が振り返るぐらい大きな声を上げてしまったほど驚いたのです。そして、その瞬間以来スライスとおさらばすることができたのです。
この本、他の理論書には書いてないことばっかり書いてて、すんごく役立つのでゴルフ好きの方はぜひ読んでみて下さい。まあ、「ゆるゆるグリップ」の高松志門プロの本ですので、既にご存知の方もたくさんいるとは思いますが・・
この理論のなにがスゴイって、「初心者が陥りやすい自分の体の動きに関する勘違い」を逆利用して正しいスウィングに導いてしまうところです。(実は、この本そのものよりもあたしが練習場で読んだ雑誌の特集記事のほうが、この点がより明快に書かれていたのですがその雑誌名を忘れてしまいました・・・)
つまり、おかしなことが書いてあると思ってもその通りにやると、結果正しい打ち方になってしまうわけです。
この理論に出会って以来、あたしがテニスを教えるときに気をつけるようになったのは、
「このときはこうやって打つ」という固定的な教え方ではなく、「こういうイメージでやると体が正しく動く」という練習方法を編み出すことでした。
この本にはガラス板のイメージそのものは書いてないのですが、書いてあることをやってみると要するにボール方向でなく、打球方向に傾けたガラス板の上をUの字にスウィングする感じ(本ページトップのイラスト)になるのです。ただし、このスウィングイメージが合うのは、あたしが『4スタンス理論』でいう「AⅡタイプ」だからなのかもしれませんが・・・
ということで、この方法が「トップハンドトルク打法」につながるとすればやってみて損はなさそう・・・と思ってるわけです。
もちろん、トップハンドトルクまたはローテイショナル打法は現在ほとんどのメジャーリーガが採用しているというものの、逆に言えば次の星野理論と同じく様々な変化球に対応する必要性から生まれてきた背景があるようなので、あたしらのレベルでやるべきことじゃないとも思います。
まあ、もっともあたしらにとって野球は楽しい遊びなんで、好きにやればいいってことでもあるんですが、こども達に何を教えるべきかと考えると迷いますね。
2.星野理論
これ、まだ全く理解できてません。ただ、インパクト時のトップハンドグリップを背屈するという点で全く考え方が違うと感じています。
トップハンドのグリップを背屈するということは、あたしが採用した厚い「フックグリップ」「ストロンググリップ」でなく、薄い「コンチネンタルグリップ」「ウィークグリップ」ということになります。
遠くに飛ばすということだけ考えると厚いグリップの方が有利であることは間違いないのですが、薄いグリップの利点は「器用」なことです。
テニスでもサーブ・スマッシュといった手首を使うショットとバックハンドスライス・ボレー・ドロップショットといった、ボールに「逆回転」を掛けて細工したい場合には薄いグリップを使います。
ゴルフでもフックグリップはドローボールでドカーンと遠くに飛ばすには有利ですが、あらゆるトラブルショット・バンカーショットなどやはりスライス回転を掛けて細工をしたい時には薄いグリップが必要です(ちなみにあたしが一番好きなプロゴルファーは林由郎プロで、そのウィークグリップから繰り出されるバンカーショットやトラブルショットは芸術品です)。
そういえば、星野理論は世界中のトッププレイヤーのプレイを調べてその共通点で構成したんですよね。
世界的なスラッガーが相手にするのは球が早いだけでなく厳しい変化球でバッターのタイミングや体勢を崩してくる世界的なピッチャーなわけだから、ストレート球に強いフックグリップよりも差し込まれたり、体勢を崩されても対応できる器用なグリップを使う選手が多いということなのかな?
・・・なんて勝手な想像です。まだあたしはちゃんと星野理論を読みきっていませんので・・・スミマセン。
ところで、星野理論にも取り上げられている落合選手(現中日監督)の打ち方についていつものmetooさんブログにすごいコメントがありましたので、勝手に引用します。
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metooさん、こんにちわ。
基本的にmetooさんの考え方と私論とは同じなんです。
私も落合打法は尊敬しておりますので、自分なりに分析してみたことがあります。
で、そのエッセンスを息子達に当てはめています。
(私分析があっているとは申しませんが)metooさんも気付かれていない(?)ポイントとしまして、落合のインパクト時(もしくはその前後)の写真に注目してください。そして左手のあり方に注意してみてください。彼のインパクト時は左手の甲がピッチャー側を向いています。逆に言えば、左手は手のひらで押すこととなり、イメージとしてはテニスのフォアです。テニスの選手はフォアを打ったあと、左足を開いて着地しますよね。それと同じです。 そこで、私はなぜ、落合がこのようなテニス打ちに至ったか、考えました。 で、私なりの結論は、「プロ投手の変化球対応」のため、できるだけ手元まで引き寄せてからインパクトしたいので、となりました。
そのためには(極端な体重移動はやめ)軸足の強い押しと手のひら打ちが必要と感じました。なぜなら、一般的な右手甲を下に向けての打ち方では仮にインパクトポイントが手元付近のときには、ヘッドが走りません(間に合いません)。ですから、手の返し(リストターン)の最中である右手の平がピッチャー側のときにインパクトを迎えれば手元で差し込まれたときも打てます(ヘッドが走ります)。それだけでなく、一般に使われないリストターンによるパワーも付加されます。ですから彼の「あくまでセンター返し、振り遅れがライト、早振りがレフトにいくだけ」という言葉はヘッドが間に合うからこその言葉であり、この打法が落合の「広角」長距離打の源ではないかと考えています。
ですので、彼の打ち方は今までの常識とされていた打法とは根本的に違うものと思っています。あくまで私論ですが。。。(苦笑)
Posted by touch at 2005年12月07日 13:15
touchさん、ありがとうございます。
落合博光の超野球学(1)(2)を読んで、あ~この人はこんな事考えていたんだ~、とても参考になりました。
あの独特のリストターンは中学時代のあこがれでした。
ところでtouchさんはご自分でブログやられないんですか?ぜひ作られた方が楽しいですよ^^
Posted by metoo at 2005年12月07日 15:45
metooさん、ありがとうございます。
私は職業柄、海外出張が多く、定期的にメンテナンスができないので、ブログが作れないんです(笑)。
ですが、基本的に技術論争は好きな方ですから、これからもよろしくお願いします。
よくシニアの指導陣や元プロの方に技術論を語っていただいては勉強しております(笑)。
先に発言した打撃論・投球論も単にチーム指導の技術的機軸のひとつなんです。つまり、次男のシニアは先の技術習得・実践チームなんです。
P.S. 落合氏から先の私技術論は「当り」とのお墨つきでしたので、大まかな点としてはあっていると思いますよ。
Posted by touch at 2005年12月07日 16:50
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打法分析も鋭いけど、それ以上に落合選手本人から直接お墨付きをもらっちゃう人っていったい・・・
3.4スタンス理論
NANDA愛好者はみんな読んでるんじゃないでしょうか?
こういう体のメカニズムから導き出す理論が好きです。TVで見てるとこれもなんかビックリの理論のようですよね。
最近1回目を読み切ったたところなので、いつかどっかで書けるぐらいお勉強しようと思います。
まとめ
もっとも、考えは変わっていくと思うので、その度に修正を加えて行きます。
・・で、とりあえずここまでパーツ毎に書いてきた指導内容をまとめてみます。
■グリップ
1.インパクトでトップハンドが空、ボトムハンドが地面を向く「フックグリップ」。
■構え
2.骨盤を前傾させ「デッチリ」にする。
⇒(あたし的には)クラウチングスタイル。後足つま先を閉じて内部応力使う。
3.後足体重(6:4~7:3)。
4.バットは肩に担ぐ。
⇒ 振れるようになれば、バットを浮かす・立てるはこどもに任せる。
5.ステップまで体を動かしながら待つ。
■ステップ・トップ・割れ
6.前足つま先を閉じた状態で、内踵からステップ。
⇒ ナチュラルステップを基本とするが足を引く・上げるもOK。
7.ステップ時グリップ位置を動かさないことで、トップ・割れを作る。
⇒ youさんのパクリです!
⇒(あたし的には)ステップと同時に右肘を張る。
⇒ ステップと同時にスウィングしない。
■フォワードスウィング・エッセンス
8.割れの後、後足を強く内旋する。
⇒ 後足を拇指丘で支えるか、フリーフットにするかはこどもの適性による。
⇒ 腰→上体が旋回し体重が前足に乗り移る。
⇒ 閉じた前足を回転軸とし膝の割れを防ぎ、旋回パワーが肩・腕に伝わる。
9.後足の内旋と同時にトップハンド肘抜き。
⇒ 腰→上体の旋回と肘抜きによりバットが肩から落ちていく。
10.バットが落ちる時にトップハンドをパタンと倒しボールの通り道をふさぐ。
■インパクト・フォロースルー
11.上体はピッチャーに正対。
12.トップハンド前腕がバットと90度。
13.トップハンドの手首はやや掌屈する。
14.インパクト後手首は返さず両腕・肘を伸ばす。
⇒腕が伸びきりバットの行き場がなくなると自然に手首が返る。
15.インパクト周辺のスウィング軌道は上体の傾きに対して90度。
・・ってことで、15のポイントにまとめることができました!めでたし、めでたし・・・
ってことでもないんですよねーーー。
ここでまとめたのは、一応こども達への教え方を統一するため、リニアウェイトシフトをベースにしたひとつの方法です。
前にもちょっと書いたりしましたが、グリップひとつにしても星野理論ではトップハンド背屈ですしね、塚口理論のトップハンドトルクも気になるし・・・。
・・という訳で、次回番外編を書こうかなーーと思ってます。
2007年9月4日火曜日
インパクト⇒フォロースルー
<原典:筑摩書房刊「科学する野球レッスン」>
そして!インパクトのことを書こうとバイブルのひとつであるMFTをチェックしたところ、なんと!テーマにピッタンコの新しいページがありました。
まず、ボールをチョップするような形を作る。
その際に肘が先行するようにする。
<原典:MFT「ひじと手首」http://www.mft.jp/batting_elbow_wrist1.htm>
おっとーーー!これはまさに「科学する野球」の空手打法そのものですねーーー。
なんとさらに!「科学する野球」にも載ってるトンカチインパクトだ!
<原典:MFT「ひじと手首」http://www.mft.jp/batting_elbow_wrist1.htm>
これ、やると分かりやすいだろうけど・・・
下半身の強い力を有効にボールに伝えるために、ボールをとらえるとき、腰はボールに正対していなければなりません。写真のように、腰に板をつけることによって、正しく回転できているかを簡単にチェックできます。
正しい形であれば、バットと腰の板が平行になります。
<原典:MFT「打つ瞬間の腰」http://www.mft.jp/batting_impact.htm#2>
そして、大きなフォロースルーのためには、この練習をさせたい!
でも、これだけ長い棒はなかなかないのでノックバットを振らせてはどうかと思ってます。
<原典:MFT「大きなフォロースルー1」http://www.mft.jp/batting_followthrough1.htm>
インパクトからフォロースルーは自分でどうこうできることではないので、ひたすらこういう練習を繰り返してしっかりスウィングすることですよね。
あっ、ただこの時に重要だと思っているのが、スイングの軌道と体の傾きの関係!!
これは日米を代表するスラッガーがセンター方向へホームランを打ったときのスイングの軌道です。
<原典:MFT「スイングの軌道2」http://www.mft.jp/batting_orbit1.htm>
さあ、誰でしょう?
大事なことは、上半身の傾きとスウィング軌道が90度ってことですね。
今回は、ほとんどMFTでした!
2007年8月31日金曜日
フォワードスィング:下半身主導!
そうするとこれですべてオッケーか!というと・・そんなことないですね。
「エッセンスを効果的に稼動させる仕組みと動き」
これがないとエッセンスの使いようがありません。
でも効果的ってどういうこと?
つまり、たったあれだけの動きでしっかりインパクトし、スウィングのパワーをボールに伝えるってことです。
それが・・・そう!下半身の動きって訳です。
よく、スウィングは下半身主導と言われますが、正直言って具体的にどういう動きをすればよいのか分かりませんでした。
なんとなく腰が先に回って、上半身・腕・バットというように振るものなんだというイメージは分かるんだけど、やってみるとどうもうまくできないぞ???
テニスの場合は、スウィングのパワーを伝えるのは膝の上下運動と腰の捻り・捻り戻しです。具体的にどういう動きかというと・・・結構いろいろあります。そう、テニスは打法・理論がたくさんあるんです。
おおまかにフラット打法・ドライブ打法・トップスピン打法に分けられ、しかもそれぞれがコーチや選手によってやり方が違うのです。
ただ、(異論はあると思いますが)テニスでは野球に比べて膝を曲げる度合いが大きく、テイクバックで体を捻ると同時にほとんど守備の時の股割り状態ぐらいまで曲げて、そこから伸び上がる力やタイミングを使って体を捻り戻し、この捻り戻しのスピードを早くすることで腕の振りのスピードを上げ、ボールを打つパワーを上げるのです。
【原典:Tennis365.net】
アガシ選手はフラット打法です。
【原典:Tennis365.net】
J.ブレーク選手はトップスピン打法ですな。
でも、あたしの場合割れの後に肘抜きをするとどうしても上半身主導で下半身が後からついてくる感じになって、いつもお世話になってるmetooさんブログのこの記事のようになっちゃうんですよ・・・
「回転する順番」(少年野球BLOG)
ところが!!ここで悩んでいたらついに出会ったのです、同じmetooさんのこの記事に・・・
「なぜ骨盤前傾にもどしたのか?」(少年野球BLOG)
驚きました!
記事にある実験をやってみると・・・
なあるほど!骨盤を前傾していわゆる「デッチリ」状態にして右足を捻ると上体が自然と左に向きます。
これは体の構造から来るメカニズムであって誰にも起こる動きです!!
でも、よくよく読み返してみるとこの部分は、MFTにもちゃーんと書いてました。(をいをい・・)
「強いスイングの秘訣」(MFT)
とにかく、この方法なら割れの後、肘抜きをしながら後足を捻るだけで上体がピッチャーの方に向いてくれます。すると、もう肘抜きはできてる訳だから例の「パタン!」の動きでボールの通り道にバットを置いとくだけでスィングがちゃーんとできるじゃありませんか!!
ちょうどこの図のようになる訳です。
【原典:筑摩書房刊「科学する野球レッスン」】
この、後足始動でパワーを伝える方法って・・・「あ、またうねり打法だ!」
なるほど、(エッジの使い方がいまいち分かってないんだけど)後足から発生するうねりというのはこのメカニズムから発生するんだ!
確かにこれなら、後足かかとを上げる動きに伴って1stスピンが始まるという意味が分かる。
もうひとつのバイブルである「科学する野球」では、腰の捻りと捻り戻しで打撃の軸を後足から前足に踏み換えることでウェイトシフトを効果的に行うことを謳っています。
ということは、後は上体が前に向くスピードを上げるだけです!
改めて思いました、やっぱり「科学する野球」と「うねり打法」は同じメカニズムに行き着いている感じがします。
そこで、これでバッセン行ったらみたら・・・
「オオオオーー!グフフ・・」でしたよ!
2007年8月27日月曜日
フォワードスウィング:エッセンス2:パタン!
これって、単純な話ですよね。問題はインパクトなわけですからインパクトの腕の位置から逆算するように考えます。
■インパクト時の型(ベルトハイのボールを打つ場合)
・上体はピッチャーに正対。
・バットはボールの飛行線に対して90度で、地面とほぼ平行。
・トップハンドはバットに対して90度で、やはり地面とほぼ平行。
・トップハンドの肘は、右腰(右バッター)の前。
・トップハンドのグリップは、空向きでやや手首を掌側に曲げている感じ。
・ボトムハンドのグリップは、地面向き。
<原典:筑摩書房刊「科学する野球レッスン」>
・・・で、一方トップ時の型を考えます。
■トップ時の型
・バットは肩に担いでいる。
・右肘は、右肩と同じレベルまで上げている(あたしの場合)。
<原典:筑摩書房刊「科学する野球レッスン」>
つまり前回書いた肘抜きで右肘をヘソの前まで絞り込むのがエッセンスの第1段階ならば、肘抜きの後の動きが第2段階になる訳です。
肘抜き時点でのグリップ位置は右肩の前(上体よりもホームベース寄り)にあり、腕の感じとしては、ちょうど腕相撲で相手に少し押され気味なのを耐えているような状態。
<原典:筑摩書房刊「科学する野球レッスン」>
そして、インパクトでのトップハンドはディマジオ選手のように、肘からグリップまでの前腕がピッチャーに向いていて地面と平行な訳だから・・・
<原典:筑摩書房刊「科学する野球」-投手編->
つまり、トップハンドの動きは腕相撲状態から腕を外旋(手の甲が地面を向くように捻る)しながら地面と平行になるまで(パタン!って感じで)倒れるだけなんですね。
「エッ?たったそれだけ?」、「チカラ入んないんじゃないの?」
そう!わがチームでも「振る」とか「スウィングする」というイメージからか、バットというより肩から先の腕全体を「振っちゃう」子がほとんどです。
そのため、ヘッドが大回りしやすく、振り遅ればかり・・・
つまり、前回ご紹介したテニスやゴルフでの腕の使い方の勘違いと同じことをやっちゃってる訳です。
だから、こども達が・・・
「えーー!腕って振らないの?!」
ここに気づくとスィングが変わりますね。
あたしが、前に悩んでいたバットの「波打ち」がなくなります。
バットヘッドが遅れてレイトスィングができるので、じっくりボールを見られます。
「ボールを打つっていうよりボールの通り道を邪魔するようにバットを置いとくといいよ」
というだけで、結果スウィングできちゃいます。
つまり、「肘抜き」と「パタン!」があたしにとってのエッセンスということなんです。
2007年8月20日月曜日
フォワードスウィング:スィングイメージ
・・・って、ずいぶんと大きくでましたが、あたしはテニスでプロ志望のジュニア達を指導しているころから自分が指導する上でこの「エッセンス」を見つけることを最重要視していました。
「エッセンス」ってどういうことでしょう?
いろいろな考えがあると思いますが、あたしがエッセンスという場合は・・・
「ボールのインパクト周辺で必須の最小動作」
という意味で使います。
そして、その技術は同時に・・・
「そこさえちゃんとできれば、あとは個性!」
と言えるキモの動作であり、
「選手が迷ったとき、崩れたときに必ず戻るってくるべき基本動作」
だと考えています。
さらに言うと・・・
「スィング指導の基準となる技術」
でもある訳です。
つまり、この動きを実現するためにグリップや構えやテイクバック・ステップが存在し、このエッセンスの動きによってフォローの動きができてくるという・・・逆に言うとこれがないと確固たる指導ができないということなんですな。
あたしが考えるバッティングのエッセンスとなる動作は、
「トップからインパクトまでの『トップハンド』の動かし方」
です。
通常は、ボトムハンドを重視するのかもしれませんが、あたしの場合テニスをやっていた影響か、自分自身がスィングを理解するのに右腕(右利きなので)の動きの方が理解しやすいということと、最近のスィング分類ではトップハンドの使い方が独立したカテゴリとなっているようなので・・・
<「メジャーの打法」より引用>
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分類法
4つの型
打法を以下のように分類する。
Ⅰ型 BHで引く B・ルース T・ウィリアムズ
Ⅱ型 THで引く B・ボンズ A・プホルス
Ⅲ型 THで押す A-ロッド M・マグワイア
Ⅳ型 両手で引く T・カッブ イチロー
***********************************************************
http://www.geocities.jp/tokyomarlin/part1.html
・・・あたし的にはトップハンドの動きで指導を組み立てることとしました。
もちろん前回の「肘抜き」がその第1段階ということですね。
つまり、テイクバックで上げたトップハンドの肘を一気にヘソの前まで絞込む「肘抜き」とそれに続く腕の使い方が最大のキモであると考えている訳です。
ところで、テニスでもゴルフでも、はたまた長いものを持ってスィングするスポーツは共通してるのかもしれませんが、ほとんどの初心者は「腕の動かし方」を勘違いしている場合が多くないですか?
テニスの場合は、ほとんどの初心者が腕を振り子のように使ってラケットを振ろうとしてホームランしたり、空振りしたりします。
プロの試合を見ると大きくラケットを振り回しているように見えますが、実は見た目とは違って(フォアハンドの場合)ラケットを持った腕はテイクバックの時点でインパクトの位置にラケットを用意して体をねじり、ねじり戻すだけで打てるようになります。この場合、腕はほとんど動かさないイメージです。
そして、スィングをどれだけ大きくできるか、スィングの角度をどのようにとってボールにどのような回転をかけるかという諸々はプレイヤーの個性ということになります。
また、ゴルフスィングの場合「丸」とか「振り子」などのイメージが強いですね。また、「スィングプレーン」という固定されたガラス板のイメージも強い。
でも、これらのイメージがゴルフスィングの習得を難しくしているとあたしは思っています。駅のホームで傘でスィングしたり、軽くシャドウスィングをしてみたり・・・の様子を見ていると、左右対称の振り子スィングをしている方がほとんどじゃないかなぁー。
あたしは、ゴルフで初心者が自然とスィングプレーン上を振るスィングを習得するためには、
「体の右上に立てたクラブで『袈裟懸けの大根切り』」
というイメージがベターと思っています。(ちなみにあたしのゴルフのバイブルは橘田規プロ・高松志門プロの「非力のゴルフ」および「水平打法」に関わる一連の著書です。)
実際に初めてゴルフをやる人にこの方法(詳細は余裕があったら書くかもしれないけど・・・)を試してもらうと違和感なくきれいな軌道でスィングができ、初心者にありがちなバナナスライスになりにくいです。そして、あたし自身もとんでもないスライサーだったのが、この方法で「一発で!」本当に「一発で!」ストレート球が打てるようになりました。
これ、恐るべき打法だと思います。通常によくあるレッスン書には絶対に書いてないことばかり書いてます。もちろん、「確実に打てる」とか「飛ぶ」とかの段階になるには練習が必要ですよ!
でも、この方法はスィングが非常にシンプルなので一度覚えると長い間練習してなくてもスィングの仕方を忘れにくいという特徴もあります。
それでは、バッティングの「エッセンス」の第2段階とは?!
それはまた次回ということで・・・(をいをい)
2007年8月19日日曜日
フォワードスウィング:エッセンス1:肘抜き
その人の打ち方は、構えの時点で前足と体をゆらゆらしながら腕を少し曲げ伸ばししてタイミングを見計らい(ちょっと神主打法っぽい動き?)そのゆれの延長でゆったりと腕を伸ばしていくように見えるんですね。
そこで、あたしもこの動きをまねてみたところ、うまくタイミングが合うとやわらかいインパクトができ、気持ちよく飛んでいきます。
ただ、このときはまだバットを立てて構えていたので、前回のテーマのテイクバックからフォワードスィングへの切り返しの時にバットがブレることがありました。
しばらくはこの方法で練習したのですが、ブレがなかなか解消しないので、(スィングの数と練習で解消すべきなのでしょうが、)最初からブレない方法がないものかと思ったことと、こども達にこの動きを伝えるのが難しそうだと感じたこともあって、構えとしては肩に担ぐことにした訳です。
そして、前回のテイクバックでの問題!
「トップハンドの肘を上げるのはNGなのか?」
この部分は結構悩んだんですが、多くの選手の連続写真、このところ登場している「科学する野球」、「ジャイアンツ塾〈2〉野球・打者編Q&A」などの記述からこのように決めました!!
「気にしない!!」(をいをい)
重要なのは、トップハンドの肘を上げることではなく、割れの後に肘を絞る動きなのです。
そう、MFTで最初に出会った肘の絞り込みですね。
<原典:MFT http://www.mft.jp/batting_swing.htm>
そして「科学する野球」ではこの動きを「かい込み」と呼んでます・・・
<原典:筑摩書房刊「科学する野球レッスン」>
実はこの本の内容とほぼ同じことがジャイアンツ塾〈2〉野球・打者編Q&A」にも書かれていました。
うーん、ダウンスィングを日本に持ち込んだジャイアンツがいまやトップハンドの肘を絞り込んでレイトスィングしながらレベルに打つ打法をこども用のレッスンにしているのかぁーー。
それならば一概にNGということもないだろうと考え、なにより自分がやってみてこの方法が、肩に担いでリラックスしたバットをスムーズにフォワードスィングするのに非常にやりやすいと感じたのです。
そして、この動きを「肘抜き」と呼ぶことをyouさんからのコメントで初めて知りました。
youさん本当にありがとうございます。
これからもいろいろ教えてくださいね!
この「肘抜き」が重要なポイントであり、トップハンドの肘をどの程度上げるかは、個人の好みの範囲と考え、「気にしない」ことにしたのでした。
2007年8月16日木曜日
テイクバック
本当は、テイクバック⇒ステップじゃないの?と思いがちですが、あたしの場合下半身のテイクバック動作はほとんどしないということで、ここでいうテイクバックは上半身の動きになります。ちょっと詳しく言うと、構えの時点から連続する上半身の動きというほうがいいかな?
この動きを説明するのにステップの動きが分かっていたほうが全体の動きを理解しやすいだろうと思ってステップを先にしたのです。
この連続する上半身の動きのうち、構えの時点での動きはバッセンにいってるときに大きなヒントを頂き、うねり打法の1.「揺らいで」によって確信を得たですね。
はじめ、あたしはあまり気づいてなかったんですよ、多くのバッターが構えの時点でいろいろ動いていることに。
ある日、バッセンに行ったらとっても上手な人がいたんですねー。木製のマスコットバットで120kmのゲージで打っていたのですが、スィングが全体的にすごくゆったりしているんですよ。ところが、打ったボールはキレイにセンター方向へ同じ高さで飛んで行くんですね。
すごいなーと思いながら見ていて気づいたのが構えてからボールを待っている間、左足と両腕をゆらゆらと動かしていて、そのゆれの延長でやわらかくスィングしながらボールを捉えていたことでした。
それで長嶋さんやヤクルトの青木、ボンズ、ケングリフィーJrなど打つ前にゆらゆらする人たちがいることを思い出し、やってみたらあたし的には動いて待ったほうが打ちやすいことに気づいたんですね。
あたしの方法は、バットを肩に担いでクラウチングスタイル、体重は6:4で右足、左足を上下に(2・3cmぐらい)軽く踏みながら、左足を踏むのと同じリズムで右肘を(脇をパンパンするような動きで)軽く動かし、さらに右グリップを握ったり緩めたりしてるですね。
あたしはテニスをやってましたが、特にサーブを待つときなど体を動かしておかないと早いサーブや横に切れるサーブにとてもついていけないんですね。
そして、テニスの場合ボールが自分の体の右側にきたときと左側に来たときでグリップを持ち替えないといけないので、グリップはいつもゆるゆるにしていました。
そんなこともあってか、バットを持って体をゆらゆらすると同時に、どうしても右グリップをゆるくしておきたいみたいです。
この状態でボールを待ち、前回書いた左足のステップに合わせて上半身のテイクバックの動きをすることで「割れ」を作ることになります。
さあ、ここでテイクバックの動きになる訳ですが、「バッティングの構え1」などで書いたように最初はバットを立てて構えていて、力みもあってバットがどうも安定しない感じでした。
そこで、バットを肩に担いでしまうことでグリップと腕の力みをなくすことができた訳です。
それと同時にクラウチングスタイルをやってみて結構よさそうだと感じたのは・・・そう、クラウチングだと「肩に担いでもぶったたけそうな感じ」がするからでした。
この、「ぶったたけそうな感じ」がどこからくるかというと多分右肘なんですね、あたしの場合。
前に書いたように、ボールを待ちながらゆらゆらしつつ右肘をやや上下に動かしますが、最終的にステップのタイミングのとき、右肘を張るんです。
これが、あたしのテイクバックの動きです。
ところが!なんとテイクバックの時にトップハンドの肘を上げるのは最悪の動きだそうです!!
ガックーーーン・・・
⇒ http://www.geocities.co.jp/Athlete-Athene/8381/battingtips.html#anchor249381
さあ、どうしましょう?
2007年8月13日月曜日
バッティング:ステップ3
このころ(2006年8月くらいですかね)バットの構え方を肩に担ぐ方法をお勉強し始めたことから特にメジャーの選手の打ち方に興味を持ち始めその過程で、ある理論サイトにぶつかりました。
「バッティング理論HP」
http://www.sutv.zaq.ne.jp/ckame404/
「メジャーリーグのバッティング技術」を書かれた塚口洋佑さんのHPです。
このHP・および著書に書いてあることは難しくてなかなかスッとは頭に入ってこないのですが、メジャーリーガー達を見て
「どーも、自分のバッティングのイメージとは違うよなぁ」
・・・とあいまいな疑問を持っていたあたしにその「違うイメージ」を「トップハンドトルク打法」という形にしてボンズやソーサの打法を目の前に見せてくれたのでした。
おかげで昔から持っていた「バッティングはダウンスィング」のイメージを払拭することができ、「いろんな打ち方が可能なんだ!!」と目を開いてくれたとてもありがたいサイトです。
打法の分類としては体重移動を伴う「リニアウェイトシフト打法」に対する軸固定回転打法=「ローテイショナル打法」という考え方の方が汎用的なのかもしれません。
下記マーリンさんの「メジャーの打法」というサイトでこの分類法をみつけました。
http://www.geocities.jp/tokyomarlin/part1.html
このサイトに行き着いたのはリアルタイムでごく最近のこと。そう、「科学する野球」の考え方をお勉強しようとした流れで2007年7月ごろに見つけたのです。打法についてはこのサイトで下記のようにより細かに分類されており、今後はこれにしたがって考えていこうと思います。
<「メジャーの打法」より引用>
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分類法
4つの型
打法を以下のように分類する。
Ⅰ型 BHで引く B・ルース T・ウィリアムズ
Ⅱ型 THで引く B・ボンズ A・プホルス
Ⅲ型 THで押す A-ロッド M・マグワイア
Ⅳ型 両手で引く T・カッブ イチロー
これでほとんどの打法をカバーできると考えている。
各型については Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型
Ⅱ型は更に、A型、B型の2つに分けているが、このサイトの打撃論の核心部分と考えている。後で詳しく論じることになる。
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このトップハンドを中心に使う打法ってとっても魅力的なんですよねーー。
あたしは、こども達にバッティングとはすべてホームランを狙うものと教えたいんですよ。
ボールを上から打ては、軟球は高く弾むからヒットになる確率が高いとか、そんなことを覚えた小学生なんてなんの魅力もありません!
そういう意味では、とにかく遠くに飛ばすことを狙ってるかのようなこの手の打ち方が好きですね。
ただ、いまやメジャーではほとんどの選手がこちらのタイプの打ち方をしているとのことで、ロングヒッターならではの打法という訳ではなさそうですが・・・
また、お勉強の順番的には塚口さんの理論を知ったのとほぼ同時に手塚さんの文庫版「プロ野球 バッティング&ピッチング解体振書」を手に入れて、「ダブルスピン」という考え方を知りました。
ちなみにダブルスピンは手塚さんご自身がおっしゃっているとおり、脊柱と肩甲骨をタイミングよく回転(?)させれば自動的にバットスィングができてしまうという運動原理なので、手塚さん理論はダブルスピン原理を効率的に実現するには、ウェイトシフトをベースとしたモーションを必須としているリニアウェイトシフト打法(何型かは不明)という訳ですね。
その後2007年7月くらいに「科学する野球」に出会います。バッティングに関して言うとディマジオ選手のフォームがあまりにも美しくてほれぼれしますが、いまではメジャーリーガーにほとんど存在しないというⅠ型のリニアウェイトシフト打法理論になるわけですね。
<原典:筑摩書房「科学する野球」-投手編->
ところが、アメリカでも一般的に指導されるのは、いまもウェイトシフト打法なのだそうで、結構ややこしいですね。
・・で、最初にも書きましたがあたし自身はテイクバック動作をほとんどせず、前足のつま先をほぼ90度捻ったナチュラルステップということで行きます。
2007年8月9日木曜日
バッティング:ステップ2
何を悩んでいるかというと、「捻り」についてです。
あたしのバイブルがMFTであることは、何度も書いていますが実はMFT以外にもだんだん参考書が増えてきたのです。
このブログは、去年の7月からのことを時系列的に書きつづってきているのですが、すべてを時系列で書くと単なる野球お父さんの物語にしかならないので、あえて体の動きを主体にパーツ別に書いてきていますので、結構時間軸が他のパーツと交錯することになるので、みなさん混乱しないように気をつけてくださいね。
・・で、新たな参考書を手に入れたのは、リアルな時間でごく最近・・・2007年7月の中旬くらいです。
モノは筑摩書房刊「科学する野球」シリーズ。
イヤー、こんな昔(失礼!)からこんな論理的な内容の本があったなんて・・
今、読んでてもあまり違和感を感じないなぁ。
ただ、この中で著者は守備の面では「腰を落として正面で捕球する」という旧式の日本式野球の指導を批判していますが、あたし自身はこういう指導をされた記憶がないということに気づきました。(覚えてないだけじゃないのか?!)
<原典:筑摩書房刊「科学する野球」-守備、走塁、練習編->
もちろん守備の時に「腰を落として!」は自分もよく言いますが、そのときのイメージは、上の写真のイメージではなくて、この本でいう「腰高フィールディング」のイメージだもんなぁ・・(下図は著者が腰高フィールディングに気づくきっかけとなった連続写真)
<原典:筑摩書房刊「科学する野球」-守備、走塁、練習編->
守備担当コーチのあたしとしては、特にこの「腰高フィールディング」が気になってこのシリーズを読もうと思った訳なのですが、守備に関して本に書いてあることはMFTなどで勉強していることと同様な内容で、違和感がなく、新しい内容であるとは特に感じなかったほどです。(次図はMFTでお勧めのゴロ捕球練習方法)
<原典:http://www.mft.jp/fielding_grounder.htm>
この本の発行当時、えー1990年前後くらいですな・・にこの腰高フィールディングは画期的だったのだろうか?
だとしたら、日本の野球界ってコワイなぁ・・・とは言え、今回はバッティングの話なので、守備の話はまた守備のタイトルでエントリーしますので、問題のバッティングでの下半身の捻りについて。
科学する野球のシリーズでは、バッティングもピッチングも腰に「捻り」を入れることが重要であるとしています。
この本でいう「捻り」は右打者なら、テイクバック時に右足を内股方向に向けておき腰を時計回りに回すと内股にした右足のせいで回した腰を元に戻そうする「内部応力」が発生する。
この「内部応力」をきっかけとして使ってフォワードスィングを強力に行う。
さらに、反対の左足をステップするときに(やっと本題に戻ったヨ)つま先を90度近く閉じてステップすることで今度はフォワードスィングで回ってきた腰の回転が止められ、この止められた力が腰⇒背中⇒肩⇒腕と伝わって力強いスィングができるというものです。
<原典:筑摩書房刊「科学する野球」-守備、走塁、練習編->
これって、なんかに似てるよナァ・・・あ、うねり打法だ!
そう、手塚一志さんの本も入手済みです(文庫版の「解体振書」の方ですが)。
この2冊って根本的には同じことを言ってるような気がする。
まあ、どちらも人間の体の構造や物理から運動原則・原理を追及しているから当然かもしれませんが。
ただ、後ろ足の使い方の考えが全く違います。
科学するではステップとともにバッティングの軸を後ろ足から前足に「踏み換える」ため、後ろ足は完全にフリーフットにします。
一方、うねりではエッジをギリギリまで利かせてうねり上げることでパワーを作り出すとしていますものねぇー。
ところが、さらに問題なのは我がバイブルMFTなのです。
MFTでは、バッティング・ピッチングの基本的な下半身の使いかたとしては「ランジ」を採用しています。
<原典:http://www.mft.jp/throw_st5.htm>
ところが、特に科学するシリーズでは、ランジのような形で打ち終わると「捻り」のための軸が崩れるからNGと言うんですな。
つまり、ランジの時前足のひざは軽く曲げられますが、これをやると左足の軸が崩れるので、前腰に十分な捻りが得られず、結果体重が左足に乗り切らないためパワーをロスするというのです。
下図でいうと左側はよくないということですね。
<原典:筑摩書房刊「科学する野球」-投手編->
うーーーむ、あたし的にはランジの姿勢が安定感があっていいと思っていたのですが、体重が乗り切らないと言われるとなるほどと思ってしまうのですね・・・
捻りか、うねりか、ランジか・・・
これはしばらく悩みが続きそうです。
でも、こういう風にいくつも選択肢があるほうがいいですよね。
子供たちにはいろいろやらせてみていい感じの打ち方を身につけさせられるようになればベストだと思うので。
固定は良くないですからね。
自分の理論としては、ひとつの幹が必要ですが教えるときにひとつの理論に偏ると絶対に合わないケースが出てきますからね。
これは、テニスを教えていたときの教訓です!