2007年10月10日水曜日

フィニッシュ

だいぶ、エントリーに間があいてしまいました・・

前回、ピッチングの流れを一通り書いたところで、次に何を書くかまたまた悩んでしまいました。
但し、やっぱり前回の最後でシリング投手の写真で悩んでいると書いているので、とっかかりはここからにしよう!

さて、どうしてこの写真で悩んでいるのか分かりますか?
そう! 右足が地面から離れていることなんですよ。






あたしのバイブルのひとつ「科学する野球」では、日本人プレイヤーと大リーガーの動作を分析し、より理に叶っているのはどういう動作かということを解説しています。
この中で、ピッチャーのフィニッシュは・・・
大きい方が大リーガーに多いフィニッシュ、小さい方が日本人に多いフィニッシュですね。









<原典:筑摩書房刊「科学する野球レッスン」>
大リーガーは始め後足を軸足として体重を預けさらに、立ち気味の狭いステップで前足に体重を乗り移しながら今度は前足を「回転軸」として固定させて使うことで体の中で最も重い大臀筋を含めた体重を全て前足に移せる・・としています。

一方日本人プレイヤーは、足上げのあとに唯一の軸足と呼ぶ後足を折り曲げ、低い姿勢でヒップファーストの長く低い併進運動でこれまた低くて広いステップを行いますが、この広いステップにより大臀筋が両足の真ん中に落ちてしまって、その重さがリリース時に前足に乗り切らないため、体重移動が不十分であると指摘しています。

同一物体において体重を移動するときに、重心が低い場合と高い場合を比較すると高い方が体重移動しやすいのは物理的に明らかですよね。
「ピッチングのエッセンス」でも紹介した最近のバイブルサイト「野球サイトPA」でも、体重移動の動作(併進運動)と上体の動きを支えるには日本人の細い足・弱い上半身では、メジャーリーガのような重心の高いフォームから前足を突き刺すように踏み出す際の衝撃に耐え続けることができないとした上で・・

『「ただ、メジャーリーガーであっても日本人であっても、「前足を固定し、股関節を軸にして体を回す」という「理想的な原理」は変わらないはずです。」』
<参考:「野球サイトPA」(1)前足ステップのやり方 4:ステップ幅「7歩が理想なのか?」
http://pitchinganalyzer.web.fc2.com/3-1.html

・・・と言ってます。
つまり、「科学する野球」でいう大リーガーの動作はやはり「理想的な原理」に基づいているということですね。

これらの理論を受けてあたしは、一応ヒップファースト併進運動+前膝角度100度 を現在の指導方法としたと書きました。
なぜなら、問題は日本人の肉体的な弱さにあるという指摘があるので、これは一朝一夕に解決できない問題だし、こども達にとって危険な動作はさせたくないという理由からです。

でも、気になるのは、日本人の投球方法では体で最も重い「大臀筋」の重さが乗らないという指摘です。
これが本当なら、かなりもったいないという気がしますよね。
ただでも体重が軽い日本人が、最も重い筋肉の重さを使えないということですもんね。
これが本当なのかどうか検証したデータはないのかなぁ・・・

・・で、冒頭のシリング投手のフォームを見るとリリース直後に右足が完全に浮いていて、つまりこれは体重が完全に左足に移っていると見えるのがとっても気になる訳です。

・・という訳で今回は何を悩んでいるのか?を明らかにして終わりです。
 

4 件のコメント:

10@PA さんのコメント...

 始めまして、サイトPAをやっています10と申します。日記に使って下さっているようで、飛んでまいりました。
(サイトのアドレスは変わらないのですが、サイト名を「野球サイトPA」と変更したので、そちらを使ってもらえるとありがたいです。)
 このあたりの話は、「永遠のテーマ」と化していますよね。自分ももう少し考えたいとは思うのですが。

zyone さんのコメント...

うわっ!!
10さんご本人なんですね?
ありがとうございます。こんな素人の日記にコメントを頂いて・・・
いつも参考にさせて頂いてマス!!

っていうか、あたしが勝手に「野球サイトPA」を使ってしまっているので・・問題あるところは言ってくださいね。

サイト名は早速修正しておきます!!

ところで、そうですか!ここは永遠のテーマなんですか~。

そうしたら、コメント頂きついでに質問して恐縮なのですが、上原投手や新垣投手などを筆頭に最近の投手を見ていると昔の投手のフォームよりも・・えー、あたしが昔と言ってるのはジャイアンツV9時代くらいのことですが・・ステップが狭くて大リーガ投手の投げ方に似てきているのでは?と思うのですが、そんなことはないのでしょうか?
10さんはどう感じておられますか?

日本人が大リーガに近づいているとすれば、なぜフォームが変わってきているのでしょう?

若い子の生活様式の変化で、大リーガっぽい投げ方の方が効率が良い・・・
なんてことが分かったら、面白いですね~。

それでは、今後とも宜しくお願いします!!

10@PA さんのコメント...

僕自身もなんら専門のない素人ですし、サイトは自由に使ってやってください。

日本とアメリカの両方が近づいてきている気がします。だから巨人のV9ごろからの昭和中後期投法より、今は重心が上がってきているという。
その前の金田権藤稲尾あたりでは、あんまりステップ広くないんですよね。昭和中盤~後期に「ステップはとにかく広く」というのが常識になってしまって、今はそのゆり戻しで元の鞘に納まっていっているのだと思います。

逆にメジャーでは「足を突っ張って上から」というのが常識だったと思いますが、最近の選手に日本っぽい足の引きずりをする選手が見られて(日記で使う予定です)、両方のいいところが合わさっていきそうだ、と期待しています。

zyone さんのコメント...

さっそくのレスありがとうございました。

>僕自身もなんら専門のない素人ですし、
>サイトは自由に使ってやってください。
★ありがとうございます!

>日本とアメリカの両方が近づいてきている
>気がします。だから巨人のV9ごろからの
>昭和中後期投法より、今は重心が上がっ
>てきているという。
>その前の金田権藤稲尾あたりでは、あんま
>りステップ広くないんですよね。昭和中盤
★いろいろな要因があって単純に比較するのは難しいんでしょうが、この頃の選手は信じられない連投をしたり、とんでもない勝ち星を上げたりしてますよね。
昔に比べて打者有利になっているとは聞きますが、いくらなんでもそんなに違うだろうか?・・・もしかすると、(「科学する野球」に指摘があるように)この頃の投げ方の方が体力的に消耗度が低く無理(?)が効いたんじゃないか?・・・と考えたことが、そもそもこの悩みの発端なんです。

>~後期に「ステップはとにかく広く」とい
>うのが常識になってしまって、今はそのゆ
>り戻しで元の鞘に納まっていっているのだ
>と思います。
★この辺りの効果といったところが知りたいですね~。

>
>逆にメジャーでは「足を突っ張って上か
>ら」
>というのが常識だったと思いますが、最近
>の選手に日本っぽい足の引きずりをする選
>手が見られて(日記で使う予定です)、両
>方のいいところが合わさっていきそうだ、
>と期待しています。
★ヤンキースのリベラ選手などは日本人に近いかなぁ・・と思います。このネタの日記楽しみにしています!!!

★これからもよろしくお願いします。